よかったらどうぞ、といただいた本の中に
船戸与一があった
20代のある時期よく読んだ作家だ
歳を取るにつれこの手の冒険モノからは遠ざかる
懐かしさもあって読んでみた
虐げられたマイノリティに目を向けるところが
やっぱり船戸与一である
今回はベトナムの少数民族モンタニャール
ベトナム戦争後のインドシナが舞台で
幾つかのエピソードが次第に結びつくカタルシス系の物語である
結末はあっけなく感じた
それは船戸作品特有のクールさとも言えるが
パターン化している残念さとも言える