明治から昭和にかけての若松(現在の北九州市若松区)が舞台である
石炭積出港として日本一、
暴力都市としては日本有数、
そんな当時の若松で
冲仲仕のリーダーとして荒くれ達をまとめ上げた、
玉井金五郎、マン夫妻の怒涛の人生
この夫妻はもとより、登場人物は実在がモデル
ちなみに著者火野葦平は金五郎夫妻の長男でもある
といって身内自慢の物語ではない
人生録のような物語だが
実に生き生きとしたエンターテイメントである
一気に読める任侠ものである
余談だが
金五郎夫妻の孫にあたるのが中村哲
アフガンで医療活動をする骨太なNGO、
ペシャワール会の現地代表である
今は海浜地区の開発などで多少活気が戻ってきてると聞くが
エネルギー革命後の若松の経済衰退は甚だしく、
『花と龍』の喧騒はない
だが、こんな生き生きとした時代があったんだと思うと
何とも誇らしい気持ちになる
何故かって?
実は私は若松生まれなのである
暮らしたことはないのだが。