『2001年宇宙の旅』を観た
聞きしに勝る難解映画で
映画とほぼ同時進行で書かれたという小説を予め読んではいたが
映画の予習としては大して意味を成さなかった
映画を観終わって思ったことがある
ご存じのとおり、この映画は交響曲『ツァラトゥストラはかく語りき』で始まる。
そして『ツァラトゥストラ』はそもそもニーチェの書いた哲学小説である
また、主人公ボーマン船長は長い宇宙の旅のなか
時空のようなものを超え、
しまいには幼子になる
小説ではこの幼子を『スターチャイルド』と呼んでいるが、
これ、ニーチェの唱える『超人』ともとれるような気がしないでもない
ちなみにこの幼子が登場するときも
『ツァラトゥストラはかく語りき』が流れている
つまり、この映画の解釈のキーは哲学、ニーチェかもしれないわけである
ということは読まねばならない
が、大昔ちょこっと読んで逃げ出した『ツァラトゥストラ』である
そう簡単に手を出せない
まずはニーチェを知らねばならない
謙虚な心持だったからか
優しく諭してくれるような本だった
難しい専門用語もあるにはあるが入門書としては有効である
基礎知識は多少付いた
次いで本編に行くわけだが、
難しい翻訳はご免である
くだけた系で行くことにした
神を否定する考えは意外と現代人には受け入れやすいのかもしれない
現実を直視し考え行動するということも。
ニーチェが目指せと言う『超人』がどんなものなのかは謎だが
『ニーチェ入門』の力を借りて
書いてあることがちょこっとだけ理解できたような気がした
それはそれでいいのだが、
この翻訳は少しくだけ過ぎのようである
別の訳文でもう一度読み直すことにした
きれいな文章である
そう感じれるのは
入門書とくだけた系を読んだからこそであろう
ところで『2001年宇宙の旅』である
物語にニーチェの「永遠回帰」思想が潜んでる気がしたが
所詮気がした程度で理解には程遠く、
解釈は大して深まらなかった
が、この程度で満足である
あんまり関わるとニーチェみたいに精神が錯乱する