気合を入れて読みはじめた『悪童日記』の続編は
謎多きパラレルワールドだった
双子ではなく、
実は2つの人格を持った、
1人の男性の物語であったと思わせる第2作
いやいやちゃんと双子ですよ、と
彼らが離れ離れになった事情を説明する第3作
連作なので3作とも当然登場人物は同じだけれど
配置、役割が違う
どう読むかは読み手に委ねられている
とはいえ、そもそも3作とも嘘で
本当の物語は別にある、
と考えることもできる
第3作のタイトルが『第3の嘘』というのも
意味深である
第1作『悪童日記』で憶えた双子に対する恐怖は
3作を読み終えて
作者アゴタ・クリストフへの恐怖へと変わった
才能と言うか、強かさと言うか、
恐ろしい作家である