多くの芸能人御用達の、
実在の居酒屋がモデルらしい
その大将の波乱に満ちた人生を
主人公は時には店で、
時には病室で大将の口から聞くのだが
笑いを織り交ぜたそのエピソードを
どうしても素直に笑うことができなかった
面白くない、というわけではない
店も大将も実在で、
大将の波乱万丈エピソードも
事実かどうかは別として、
著者が実際に耳にしたとのことである
そこまで現実に則していると
『居酒屋ふじ』を実際に知っている者でなければ笑ってはいけない、
そんな気持ちになったからだ
常連が屯する酒場にうっかり入り込んだような
そんな感覚だったが
これも何かの縁である
とりあえず失礼のない程度に飲み食いし、
目立たないよう店を出た、
そんな読後感である